その７ / ドトールにて

ザワザワ・・・ザワザワ・・・
ぎゃははははーっ（笑）・・・・・・。

　・・・・・・・・・・

にぎやかでございます。

毎朝、行きつけの　『ドトールコーヒーショップ』　
でのひとコマでございます。

なんでも、最近、近くのパチンコ店が、
オーナーチェンジして、新規オープンしたらしく

それ以来、１０時の開店を狙うパチンコ客たちが、
ドトールにどっと押し寄せるのでございます。

この日はとくに運悪く
わたくしの近くの席が空いておったのでございます。

おかげで、目ざとく席を見つけた
パチンコ目当ての　『おばちゃん軍団』。

４名席に６人がむらがり、それぞれどこに座るかで
喧々諤々の大騒ぎでございます。

みなぎるその気迫とパワー。

隣に一人のわたくしは、
ただただ、危害が及ばないよう
ひたすら目をあわさないよう、
新聞を読むのみでございます。

お隣とは、シートの席でつながっております。

どんどんとコチラへ押し寄せるおばちゃん！！

『騒がしくしてごめんなさいね〜』

声をかけられてしまったのでございます。

（わかってんなら、もう少し静かにしてくれい！！）
　 わたくしの心の声でございます。

『いえいえ、ははっ　（笑）・・・　』
　 わたくしの、偽りの声でございます。
　 おまけに、愛想笑いまでしてしまいました。

『ほらほら、ここにお座り、お座り・・・』

なな、なんと、ぎゅうぎゅう詰めの席に、
もう一人呼び寄せるおばちゃん。

もはや、無法地帯と化しております。

ただでさえ、二人分は必要と思われる、そのおしりで
どうやって、座るおつもりなのでございましょうか？

『大丈夫、大丈夫、あっち空いてるから・・・。』

呼ばれたおばちゃんは、さすがに難しいと判断したようで、
奥の別のグループの席へと行ってしまわれました。

ほっとひと安心でございます。

しばらくすると、ひとりのおばちゃんが
なにやら、 しきりと、窓から外をのぞいておられます。

おばちゃんＡ　『格の違いを・・・・えっ？何？・・見せつけます？』

おばちゃんＢ　『あんた何見てんのよ〜？』

おばちゃんＡ　『あれあれ、あそこの看板よ〜。』

パチンコ屋の正面に掲げられた、大きな看板の文句を
お読みになっているようでございます。

おばちゃんＡ　『出玉、・・何？なんて書いてあんの？』

おばちゃんＢ　『出玉確実・・・だって、うそばっかり！！』

おばちゃんＡ　『えーっ！！出玉確実とか書いてんの〜！！
　　　　　　　　　　　　　　 ホント うそばっかり、失礼しちゃうわよね〜』

少々お怒りのようでございます。

（そんなら、もう行くなよ）
　　 またしても、わたくしの心の声でございます。

とはいえ、新聞を読みつつも、
おばちゃんたちの会話に
心奪われる自分が、すこし情けのうございます。

ところで、わたくしの洋服リフォーム店は、
このドトールコーヒーやパチンコ店から
１００メートルほど行ったところにございます。

日曜ともなると、パチンコ開店前の行列が
当店前まで並ぶこともあるのでございます。

このパワー、もっと他のなにかに向けられないものかと、
ときどき思案するわたくしでございます。